同性愛者が恋人と別れて思うこと

エッセイ

先日、突然彼女に別れを切り出された。

私は到底それを受け入れることはできなかったが、

彼女を大切に思っているし、彼女が考え出した結論なら、尊重するしかなかった。

私は彼女と別れることになった。

初めて私の記事を読んだ方へ説明すると、私はアラサーの女性であり、女性が好きなレズビアンでもある。

先日、彼女との丸2年間の交際に終止符を打った。

これを書いている今は不思議と落ち着いている。(もちろん今だけかもしれないが)

私の友人や家族は私が同性愛者だということを知っているし、私が彼女と交際していることも知っていた。

だからこそ、別れると決まった時に素直に泣きつくことができた。

友人や家族は私の話をたくさん聞いてくれたし、他愛のない話もしてくれた。

だからだろうか、今少し落ち着いた心持ちでいられているのは。

私はYouTubeにも動画を投稿している。

先日もこの件について動画を上げたばかりだ。

多くのコメントをいただいて、励まされて、本当に救われた。

こういう時になると、つい考えてしまうことがある。

「宇宙規模で見れば人生なんて短く、まして誰かと誰かが別れたなんて、虫ケラ以上にちっぽけなことなんだろう」って。

そう思うと少し心が落ち着くのだ。

私たち二人は2年の交際期間があったからこそ、お互いのことを誰よりわかり合っていたと思う。

大切に思う気持ちは今も変わらない。

ここまで「良い人」を私は知らないから、できれば縁を切りたくなかった。

私が落ち着いて、吹っ切れて、割り切れて、本当の友達になれる時が来たとしたら

その時は友達としてまた二人の関係が再出発するのかもしれない。

それは近い未来なのか、遠い未来なのかわからないけど。

人と人が付き合うってつくづく難しいことだなと思う。

浮気や暴力、借金があれば、別れる理由となりうるけど、

長年の付き合いにおいて「なんとなく気持ちが冷めてしまった」

「他の人に気持ちが傾いてしまった」といった理由であると、なんとも言えない。

「わかった!悪いところは全部直すから!」と言ったドラマでよく聞く常套句が通用しないのだ。

長い期間交際をして、ずっとその人を想い続けることの難しさを今回は身にしみて感じた。

ましてや結婚して何年も何十年も一緒にいるなんて、若輩者の私にはまだ想像はつかないが、

私は確かに、彼女とならなんだかんだ言いながらおばあちゃんになれると信じていた。

これが男女の恋愛だったら?

たとえば女性が妊娠したら、そう易々と縁を切ることはできないのかもしれない。

すでに籍を入れていたら?法的なあれこれがあるため簡単に離婚はできないだろう。

先日読んだ『もう別れてもいいですか』にて離婚の大変さを知ったばかりだ。

同性愛者の恋愛というものはその繋がりの希薄さに致命的なものを感じる。

私と彼女も、もうパートナーシップを結ぶ日付まで決めていたのだ。

けれどこれは婚約でもなんでもない。

ただの口約束であるし、なんの拘束力もない。

それがなんとも悲しい。

動画にて再三「恋愛って儚い」と述べたが、本当に儚いなぁと思う。

思考も言葉も纏まらないが、

ひとまずは彼女と距離を置こうと思う。

家のことがあるからまた近いうちに会わなければならなくなるかもしれないが。

彼女にあげたマーガレットの花に水をあげられないのが残念だ。

冷蔵庫の生卵は買ったばかりで、まだ8個も残っている。全部捨てることになるだろうか。

人の心の適応力とはすごいものだ。

もう別れを受け入れいるのだろうか。

それとも、とっくの昔から、こうなることを予想していたとでもいうのだろうか。

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